Materialz - ZUNDAとオートバイたちとの記録

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人生とバイク。

ZUNDAとオートバイたちとの記録

2002 - マイノリティとしてのウイグル族

近代の中央アジア史とその考察+若干の実地調査

以下の内容は中央アジアの歴史と現況の話なので、そーゆーのに興味の無い方はパスしてください。

※ あらかじめ言っときますが、私の学術専攻はメディアデザインです・・・

2002年に日本人の目から見たこの地域の現状
日本人の目から見たこの地域の現状。

実際にウイグル族と接して感じたことは、彼らは衣食住が保障され、それなりの体面を保てれば国体がどうであろうと構わない、という印象でした。

これは漢族と変わらない考え方で、実際それが正しい事なのだと思います。

しかし、現状では一部のエリートを除き、ウイグル人、ハザカ人などの少数民族は所得水準、公的機関への就職、共産党への入党など様々な面で差別を受けているようです。

ウルムチでも、新市街は漢族が住んでいますが、ウイグル族はほんの一部しか住んでいません。逆に旧市街の古く、今にも崩れそうな建物に大多数のウイグル族が住んでいるようです。

私がウルムチに行ったとき、丁度二道橋市場の一部が取り壊され、新しいデパートの様な施設が建設されていました。

それまでの市場の方が風情があって良かったので、なぜ近代的な建物の中へ市場を入れようとするのか、と残念に思いました。

これは観光客の勝手な考えなので、商売人にとって居住環境の改善は好ましい事でしょう。

しかしながら、完成した新二道橋市場は、明らかに今まで居住・商売をしていた人たちとは異なる人たちが営業していました。

では、先に居住していた人たちは何処に行ったのでしょう?

中華人民共和国では、土地は全て国有であり、区画整理等で家が取り壊されることとなっても、その保障は何もないのです。
なぜなら「国有地に許可が出て居住していたが、その許可が取り消しになった」からです。

新しく道路が敷設された場所では、家が半分に切られた様な建物がたまに見受けられます。

これは、家の半分の敷地がが区画整理に該当して、撤去された為です。まるごと壊さないのは何故か律儀です。

ですが、完全に区画整理に該当した家はどうなるのでしょうか?

当然家は壊されます。そして、また家を建てられるコネや権限がない人は、身内を頼るか、路頭に迷うしかないのです。

ウイグル族はその所得水準の格差からこれから取り壊される旧市街に住んでいる人が大半です。

ウルムチ市では人口の急激な増加のため、順次旧市街を区画整理して行く方針のようです。

その区画整理の後、あぶれてしまった人々はどうすれば良いのでしょうか?どうやって生きていけばいいのでしょうか?

中国政府は近年西域開発に乗り出し、石油開発を重点として鉄道・道路などのインフラを整備し、タリム盆地で採集した原油を東に送るパイプラインを建造しています。

ただ、この投資された金銭が漢族・とそれ以外の少数民族に公平に分配されているのかというと、疑問に思います。

ただ、私は東トルキスタン(East Turkztan)の漢族支配には重大な"but"あると思います。少なくとも、大多数の少数民族の生活環境は、1946年以前より、遥かに向上している点です。

日本人の独りよがりな視点から見ても、女性の教育水準は、イスラム教諸国のそれとは比べ物にならないほど上です。女性の社会進出も活発です。

これは、純粋にイスラム教を信仰している人々から見ればどう思うかはわかりませんが、漢族支配の恩恵だと言えます。


南新疆を旅行中にイェンギサルという小さな町で、とある少年と出会いました(写真参照)。

彼は15歳で、地域の学校に通い、英語を学んでいる、と非常に癖のある英語で語ってくれました。

そこで、彼に「将来何になりたいのか?」と聞くと、

"Soldier. But I want to become the soldier of East Turkztan. Not Chinese soldier!"

と答えました。

私は驚いて、「何故そうなりたいのか?」と質問しました。すると、

「ここ東トルキスタンウイグル人の土地だ。中国人は我々の土地を奪った。だから、この土地を取り戻すために兵士になる。」

「君は中国人は嫌いか?」

「大嫌いだ。」

「君の様な考えを持ってる人は他にもいるのか?」

「たくさんいる。ただ、大抵のウイグル人は金を稼ぐことしか考えていない。どうしようもない連中だ。」

このように、彼の様な民族主義に燃える若者がいるのも事実です。

東トルキスタン新疆ウイグル自治区は、中華人民共和国が「東トルキスタンイスラム共和国」を征服したという歴史があります。

文化大革命時には多数の餓死者が出たとも言われています。
人々は漢族の差別にあえいでいる、という実情もあります。

これから新疆はどうなるのでしょうか。
この新疆の動静も去年の9/11以降激変しました。

パキスタン国境は封鎖され、アフガニスタンパキスタン国境の都市タシュクルガンも外国人立ち入り禁止になりました。

たった一ヶ月の滞在では、ウイグル人・ハザカ人・タジク人などの民意など解るはずもありません。

ただ、先ほど述べた重大な"but"が、少数民族にとってどのような意味を持つのかが、これから先重要であると思います。



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